メディアの反響
原著に対する反響
ワシントン・ポスト紙(バージニア工科大学准教授マシュー・ウィシニオスキ)
インディペンデント紙(イアン・バーレル)
インターネットの最辺境への魅惑的かつ不穏な旅。ジェイミー・バートレットは、熟練した案内人であり…いまだ光の当たらない世界を貴重な光で照らしている。
インディペンデント紙「今年の本(2014年)」(マックス・ウォリス)
ニュー・ステーツマン誌「今年の本(2014年)」(ヘレン・ルイス)
荒らしなどのインターネット上の性質の悪い行為の仕組みを、善悪の判断を保留して観察した、熱より光を生み出す(=感情より理性に訴えかける)本。
タイムズ紙(ヒューゴー・リフキンド)
サンデー・タイムズ(タイムズ日曜版)紙(ブライアン・アップルヤード)
ニュー・サイエンティスト誌(ダグラス・ヘブン)
豊富な知識に基づいた信頼性の高い案内書…バートレットは、オンライン活動の背後にいる人々と直接会うことにより、彼らを生身の人間として描き出す。
スペクテイター誌(マイケル・バイウォーター)
訳書に対する反響
産経新聞
この書評のフレーズは、星水にとっては結構嬉しかったです。というのは、訳者として読者に「闇ネットとかなんとか言っても、所詮は外国の話でしょ。自分たちとは関係ない」みたいに高を括らせてなるものか、と思いながら訳していたからです。書評担当者さんが本当に「”私たち”だ」と思ってくれたのなら、訳者冥利に尽きるというものです。
しかも、本書の第2章には、イギリスの極右と呼ばれるイングランド防衛同盟(EDL)の人たちなんかも出てくるんですが、一般に右寄りと思われている産経新聞の書評担当さんが、そのへんをどう読んだのか。やはり他人事ではないと思って読んだのか。興味深いところですが、まあ下種の勘ぐりは程ほどにしましょう。
星水個人としては、本書に強く興味を持つのは、むしろ左寄りのメディアじゃないかと思っていたので、最初に書評してくれたのが産経新聞さんだったというのは、個人的には少々意外でした。
フムフム(武田砂鉄)
「フムフム」というサイトは初めて知りましたが、学研グループのブックビヨンドという会社がやっているらしいですね。あちこちのサイトに転載されるので版元にとってはありがたいかも。
うまく紹介していただいていますが、一箇所だけ気になったところがあります。「擬似児童ポルノ」を「10代かのように見せるポルノ」と書いていますが、これはどっちかというと解釈が逆で、ここではむしろ「実際には10代(18際未満)なのに、10代でない(18歳以上)かのように見せるポルノ」を基本的に意味しています。
そもそも「グレーゾーン」の話なので、著者もややぼかして書いていますが、法律的な合法・違法を語っている文脈の中で、「オーガズとガダムが発見した人気のある年齢に近い」と書いていて、その「人気のある年齢」は前の段落で「13歳、16歳、14歳」と書いているのですから、18歳未満が出演していることを示唆しているのは明らかでしょう。
その後で、「歳より下に見せようとする者もいれば、上に見せようとするものもいる」と書いてあるように、もちろん逆の例もありますし、だからこそ「グレーゾーン」なわけですが、児童ポルノの違法性という意味で問題になるのは、言うまでもなく「上にみせようとするもの」の方ですよね。
「下に見せようとする者」を問題にするのは、「ティーンぶってるけど、とんでもないBBAじゃねえか! 詐欺だ! 金返せ!」とか言って怒るポルノ愛好家の方ですよね。それも「問題」ではありますが、本書の主題ではないですよね。
なんかせっかくの紹介にケチつけてるみたいですいませんが、本書の内容に誤解を招いてはいけないので、念のため。
著者のメディア露出
TED 講演「怪しいダークネットがどうして表舞台に浮上しつつあるのか」
Talks At Google「ダークネット」
「ダークネット」の登場する作品
ピエロがお前を嘲笑う(原題:Who Am I – Kein System ist sicher)
訳者星水は未見ですが、台詞の中に「ダークネット」という言葉が出てくるそうです。